企業内保育所で働くメリット・デメリットとは? 業種別一日のスケジュールや給与相場、向いている人の特徴も解説!
- 保育士に役立つ情報
2026/09/01
この記事でわかること
- 企業内保育所は、少人数保育や行事負担の少なさなど、一般的な保育園とは異なる働き方ができる施設である
- 仕事内容や給与・待遇は、運営企業や施設の種類によって異なるため、事前の確認が欠かせない
- 企業内保育所にはメリットだけではなく、設備やキャリア面など知っておきたい注意点もある
保育園で働く中で、毎月の行事の準備や保護者への対応、書類業務などに追われ、「働き方を見直したい」「もっと子ども一人ひとりと向き合いたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。このような悩みを抱える保育士から注目されている転職先の一つが、企業内保育所です。
本記事では、企業内保育所で働くメリット・デメリットをはじめ、仕事内容や給与相場、後悔しない求人選びのポイントなどを分かりやすく解説します。
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企業内保育所とは?
企業内保育所とは、企業が従業員の子育て支援を目的として設置・運営する保育施設です。一般的な認可保育園とは利用対象や保育環境が異なる他、制度によって運営形態にも違いがあります。
ここでは、一般的な保育園との違いや制度の種類について解説します。
企業内保育所と一般的な保育園の違い
企業内保育所は、企業が社内や近隣施設に設置し、従業員が勤務中に子どもを預けられる保育施設です。一般的な認可保育園が地域の子どもを幅広く受け入れるのに対し、企業内保育所は設置企業の従業員の子どもを主な対象としています。
また、10〜30名程度の小規模施設が多く、比較的落ち着いた保育環境であることも特徴です。施設によっては異年齢保育を取り入れたり、行事を小規模に実施したりするケースもあります。
「事業所内保育事業」と「企業主導型保育事業」の2種類がある
企業内保育所は、主に「事業所内保育事業」と「企業主導型保育事業」の2種類です。
事業所内保育事業は自治体の認可を受けた施設で、主に0〜2歳児を対象としています。また、定員の4分の1以上を地域枠として受け入れる必要があり、地域の子どもも利用できます。
一方、企業主導型保育事業は内閣府の助成を受ける認可外施設です。対象年齢や開園時間を柔軟に設定でき、利用者は従業員の子どもが中心ですが、施設によっては地域の子どもを受け入れる場合もあります。
この他にも、企業が助成金を利用せず独自に設置・運営する認可外の託児スペースがあります。制度によって利用対象や運営方法が異なるため、違いを理解しておきましょう。
【企業の業種別】企業内保育所での仕事内容と1日の勤務スケジュール
企業内保育所の仕事内容は基本的な保育業務が中心ですが、設置企業の業種によって開園時間や勤務形態は異なります。ここでは、業種ごとの1日の流れや働き方の違いを紹介します。
【オフィス系企業内保育】土日休みが中心
オフィス系企業が運営する企業内保育所では、設置企業の営業日に合わせて土日祝休み、9時〜18時前後の日中開所となる施設が多く見られます。そのため、規則正しい生活リズムで働きたい保育士に人気があります。
1日の流れは、登園した子どもの受け入れから始まり、自由遊びや近隣の公園への散歩、給食の介助、お昼寝、おやつ、順次降園と進むのが一般的です。
また、大規模な行事の準備が比較的少ない施設では、日々の業務スケジュールも安定しています。残業が少なく、定時で退勤できる施設も多いため、ワークライフバランスを重視する方に向いているでしょう。
【病院・医療系(院内保育)】夜勤ニーズがある
病院や医療機関に設置された院内保育所では、夜勤や交代制勤務を行う看護師などの子どもを預かるため、夜間保育や24時間保育に対応している施設があります。そのため、オフィス系企業とは勤務形態が大きく異なるでしょう。
夜勤では、20時頃から子どもの受け入れを行い、入浴や着替えの補助、寝かしつけを行います。その後は深夜の見回りや保育日誌の記入を進め、翌朝は朝食の補助や引き渡しを行う流れが一般的です。
夜間は預かる子どもの人数が少ない施設もあり、職員2名程度で運営されるケースも見られます。また、勤務体制によっては仮眠時間を設けている施設や、夜勤手当・夜間手当が支給される施設もあります。ただし、勤務回数や手当の内容は施設ごとに異なるため、求人票や面接で確認することが大切です。
企業内保育所で働くメリット
企業内保育所は、一般的な保育園と比べて業務の負担を抑えやすい傾向があります。少人数保育や保護者との連携のしやすさなども特徴です。
ここでは、企業内保育所で働く主なメリットを紹介します。
行事や製作物が少なく残業・持ち帰り仕事がほとんどない
企業内保育所は、大規模な運動会や発表会などを実施しない施設が多くあります。行事を行う場合でも、日常保育の延長として小規模に開催するケースが中心です。
そのため、衣装作りや過度な壁面装飾など、行事に伴う製作物や準備作業も比較的少なくなります。時間外に準備する必要が減り、残業や持ち帰り仕事を抑えやすい点はメリットでしょう。
また、行事の準備に追われにくいため、子どもと向き合う時間を確保しやすくなります。プライベートとの両立を重視したい方にも適した環境といえるでしょう。ただし、行事の規模や残業時間は施設によって異なるため、求人票で確認してください。
少人数制のアットホームな環境で園児一人ひとりに深く関われる
企業内保育所は、定員10〜30名程度の小規模な施設が多くあります。大規模園と比べて子どもの人数が少ないため、一人ひとりの発達や個性を把握しながら丁寧に関わりやすい点が魅力です。
また、年齢ごとにクラスを分けず、異年齢合同保育を取り入れている施設もあります。年上の子どもが年下の子どもを気遣うなど、異年齢ならではの関係性や成長を身近で見守れるでしょう。
家庭的で落ち着いた環境になりやすく、保育士と子どもの距離も近くなります。子ども一人ひとりとじっくり向き合う保育を実践したい方にとって、大きなメリットです。
保護者が近くにいるため連携や連絡がスムーズに取れる
企業内保育所では、保護者が同じ敷地内やオフィスビル内で勤務しているケースがあります。そのため、子どもの発熱やけがなどが発生した場合でも、比較的速やかに連絡を取りやすい点が特徴です。
また、一般的な大規模園より利用する家庭が少ない施設では、保護者と日常的にコミュニケーションを取る機会も多くなります。子どもの小さな変化や成長を共有でき、保育方針についても認識を合わせやすいでしょう。
こうした日々の情報共有は、保護者との信頼関係を築く上でも役立ちます。ただし、保護者との距離感や連絡方法は施設によって異なるため、実際の運営体制も確認しておきましょう。
運営企業が大手の場合は充実した福利厚生を受けられる
大企業や病院、大学などが設置・運営する企業内保育所では、福利厚生が充実している場合があります。勤務先によっては、有給休暇や産休・育休制度、借上社宅制度などを利用できることもあるでしょう。
また社員食堂など、運営母体ならではの福利厚生を利用できるケースもあります。企業の給与規定や賞与制度が適用される場合には、安定した待遇につながる可能性もあります。
ただし、企業内保育所であれば全て同じ福利厚生を受けられるわけではありません。運営企業や雇用形態によって制度は異なります。長く働ける職場を選ぶためにも、給与だけではなく福利厚生の内容まで求人票で確認しましょう。
企業内保育所で働くデメリット
企業内保育所には働きやすさにつながるメリットがある一方で、転職前に知っておきたい注意点もあります。設備やキャリア形成、運営体制などを確認し、自分の希望する働き方と合うか見極めることが大切です。
ここからは、企業内保育所で働くデメリットを紹介します。
園庭がないなど設備や活動スペースに限りがある
企業内保育所は、オフィスビルやマンションの一室などに設置されている場合があります。そのため、園庭や大きなホール、体育館などを備えていない施設も少なくありません。
活動スペースが限られていると、体を大きく動かす遊びを取り入れにくい場合があります。室内遊びの内容を工夫するなど、保育士のアイデアが求められる場面もあるでしょう。
また園庭がない施設では、外遊びのために近隣の公園を利用するケースがあります。その際は、散歩中の交通事故を防ぐため、移動ルートや周辺環境の安全確認が欠かせません。設備や活動環境は施設ごとに異なるため、転職前に園見学で確認しておくと安心です。
大人数クラスの担任業務や集団をまとめるスキルを磨きにくい
企業内保育所は、少人数保育や異年齢保育を取り入れている施設が多い傾向があります。そのため、大人数の同年齢クラスを担当し、集団をまとめる経験は積みにくい場合があります。
また大規模な発表会や運動会などを一から企画し、運営する機会も限られるでしょう。将来的に大規模な認可保育園への転職を考えている場合は、デメリットとなる可能性があります
ただし、企業内保育所でキャリアアップできないわけではありません。主任保育士や園長などを目指す場合は、希望するキャリアを実現できる環境か事前に確認してみましょう。
企業の経営状態や利用状況によって閉鎖や給料低下のリスクがある
企業内保育所は、母体企業の福利厚生や子育て支援策の一環として設置されている場合があります。そのため、企業の経営状況や方針変更の影響を受ける可能性がある点には注意が必要です。
例えば、利用する従業員の減少が続けば、施設の規模が縮小されたり、閉鎖されたりするケースも考えられます。また設置企業による直接雇用の場合、業績の悪化によって給与や賞与などの待遇が変わる可能性もあるでしょう。
ただし、外部の保育事業者が運営する施設では、雇用関係や異動の仕組みが異なる場合があります。転職先を選ぶ際は、企業直雇用か委託運営かを確認し、運営母体や雇用条件まで把握しておきましょう。
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企業内保育所に向いてる保育士の特徴
企業内保育所は、仕事とプライベートを両立しながら、子ども一人ひとりと丁寧に関わりたい保育士に向いています。持ち帰り仕事や残業を減らし、長く働き続けたい方にも良い選択肢の一つとなるでしょう。
また、少人数の家庭的な環境で保育をしたい方や、大人数の保護者対応、頻繁な行事運営に負担を感じている方にも適しています。オフィス系企業では、土日祝休みや規則的な勤務ができる施設もあります。
ただし、勤務条件は設置企業によって異なるため注意が必要です。自分が希望する休日や保育方針と合っているか、求人票や園見学などで確認しておきましょう。
企業内保育所があまり向いていない保育士の特徴
企業内保育所は、大規模な行事を企画・運営することにやりがいを感じる方には、物足りなく感じる場合があります。広い園庭で子どもたちと活発に体を動かす保育を希望する方も、施設環境を確認した方がよいでしょう。
また主任保育士や園長など、大規模園でのキャリアアップを早い段階から目指したい方は注意が必要です。施設によっては役職数が少なく、希望する経験を積みにくい可能性があります。
少人数の職場では、保育士同士が密に連携して業務を進めることも求められます。向き・不向きは能力の優劣ではありません。自分の保育観や将来像と照らし合わせ、相性を見極めることが大切です。
気になる企業内保育所の給与相場
企業内保育所の給与は、保育士全体の給与水準が一つの目安になります。ただし、実際の給与や賞与、福利厚生は運営元や雇用形態によって異なるため、一律には判断できません。
運営形態は、保育事業者に雇用されて施設に配属される「委託運営型」と、設置企業に雇用される「直接雇用型」に分けられます。委託運営型では保育業界の給与水準に近いケースがあり、施設が閉鎖された際に系列園へ異動できる場合もあります。一方、直接雇用型では母体企業の給与や賞与の制度が適用されるケースもあるでしょう。
また、正社員求人では保育士資格や実務経験を求められることがあります。認可外施設のパートなどでは、無資格で保育補助に応募できる場合もあります。子育て支援員研修の修了者が活躍できる求人もあるため、給与だけではなく資格要件や福利厚生まで確認してください。
後悔しないために! 企業内保育所の求人を選ぶときのチェックポイント
企業内保育所は施設ごとに勤務条件や保育内容、設備環境が異なります。求人票だけでは分からない情報もあるため、面接や園見学を活用し、自分の希望する働き方に合っているかを確認することが大切です。特に、以下の3点は転職前にチェックしておきましょう。
- 企業の休日カレンダーや年間休日数
- 独自の教育プログラムや保育計画の有無
- 園庭がない場合の戸外活動や散歩コース
「企業内保育所 = 土日休み」とは限りません。開園曜日や年間休日数、夜勤・シフト勤務の有無を確認し、自分の希望する働き方と合っているかを確認しましょう。また、英語やリトミックなどを導入している施設では、保育士がどこまで担当するのか、日々の準備負担も把握しておくことが大切です。
さらに、園庭の有無だけではなく、散歩コースの安全性や保育室の広さなども園見学で確認し、働く環境を具体的にイメージしておくと、入職後のミスマッチを防ぎやすくなります。
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まとめ
企業内保育所は、大規模な行事が比較的少なく、持ち帰り仕事や残業も少ない傾向があります。ワークライフバランスを重視しながら子ども一人ひとりと丁寧に関わりたい保育士にとって、有力な転職先の一つです。
一方で、園庭などの設備環境や勤務体系、運営企業の経営状況など、事前に確認しておきたいポイントもあります。メリットとデメリットの両方を理解した上で、自分の希望する働き方や保育観に合った職場を選ぶことが、転職後のミスマッチを防ぐポイントです。
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